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木下晃伸:「ユニクロ」好調の背景を探る
2008年12月 3日(水) 17時19分
ファーストリテイリング <9983> は2日、カジュアル衣料品店「ユニクロ」の11月の国内既存店売上高が前年同月比32.2%増えたと発表した。月後半から寒くなり、保温肌着「ヒートテック」など冬物衣料の販売が好調だった。
これを受け本日の同社株価は、ストップ高比例配分となり、投資家からの人気を集めた。関連業態であるしまむら <8227> 、ライトオン <7445> も連れ高となっている。
百貨店、スーパー、専門店を問わず衣料品の販売不振が深刻になるなか、ユニクロの快調ぶりは突出している。30%を超える伸びは2001年3月(42.6%)以来、ほぼ7年半ぶり。来客数も25.7%の大幅増で、客単価は5.2%上昇した。
特に注目を集めているのが「ヒートテック」だ。機能的にはミズノの「ブレスサーモ」に匹敵するにも関わらず、その販売価格は1000―1500円とミズノ製品に比べれば数分の1だ。昨年売り切れが続出した「ヒートテック」は昨年の1.4倍の2800万枚を用意したが、既に一部店舗で品切れが出始めているという。
この流れがまだ続くのかどうか。私は、「ヒートテック」がブームになっているということは、本格的な不況の裏返しでもあると考える。本来であればお洒落にジャケットやコートなどを買い求めるわけだが、そこを節約しインナーで寒さを凌ぐというのは節約志向以外の何者でもない。
さらに、2000年代前半の日本固有の不況と異なり、今回は世界不況の流れを受けている点が気がかりだ。最も大きな違いは上場企業クラスが青息吐息になっていることだろう。
2000年代前半は、不良債権に喘ぐ金融機関と、ITバブル崩壊に苦しむIT関連企業以外は意外にも業績は底堅かった。そのため、それほど景況感も悪化しなかったわけだ。
しかし、今回は違う。不動産業界が皮切りとなっているが、上場企業の破綻は際立って多くなっている。破綻はしなくとも、トヨタ自動車が営業利益6000億円と20年前の水準に落ち込む程利益規模も落ちている。
雇用や給与の不安は、いま非常に大きくなっている。国内政治に対する不信も、閉塞感を引き起こしている。この状況は来年度、さらに厳しくなるだろう。であれば、単品訴求であり消費材に近い「ヒートテック」はブームから定番品へ移行していくことになる。
「ユニクロ」の一人勝ち状態は、しばらく続くと考えるのが妥当だろう。(執筆者:木下晃伸・経済アナリスト)
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